テクスチャを作成する

テクスチャは、モデルの面に張り付けて色や質感を表現するための画像のことです。

画像ファイルには通常、1ピクセルごとにRGBA、つまり赤・緑・青色の強度と、透明度を表すアルファ値が格納されます。一方、TpF2のテクスチャではこれらのほかに、光沢や反射の量、経年劣化の汚れや錆、ゲーム内で指定するカスタムカラーの重ね合わせの度合いなども、画像のピクセル値として格納します。したがって、ひとつのマテリアル(モデル)を表すのに、カラーを指定する画像ファイル、光沢を指定する画像ファイルなど、複数の画像ファイルを用意することになります。どのような画像でもペイントソフトの上ではピクセルはすべて色として表示されますので、テクスチャ作成作業はたとえば「光沢が必要なところは赤く塗る」というふうにして進めていきます。

マテリアルで表したい値の種類によって、用意するテクスチャの種類が変わります。このチュートリアルでは色と光沢だけを扱うため、カラーを表すカラーテクスチャと、光沢を表すMGAテクスチャを作成します。

1. UV展開

テクスチャ画像を作成する前に、まずはUV展開を行って、オブジェクトとテクスチャの座標のマッピングを行います。今回はすべてのオブジェクトのUVを1枚のUVマップに収めることにし、車体オブジェクトはスマートUV投影で、それ以外はシームなしの自動UV展開を使用してUV展開を実行します。

まず、ワークスペース「UV Editing」に移り、オブジェクトモードで車体オブジェクトを選択し、編集モードに移ってください。続いて、すべての面を選択した状態で、ヘッダーの「UV」→「スマートUV投影」を選択して、スマートUV投影を実行してください。パラメータ指定画面では、「アイランドの余白」を 0.02 にしてください。

次に、オブジェクトモードに戻って台車オブジェクトを選択し、編集モードに移ります。すべての面を選択した状態で、今度はヘッダーの「UV」→「展開」を選択して、UV展開を実行してください。展開後、UVエディタ画面で表示されているすべての頂点を選んで縮小し、車体オブジェクトのUVと重ならない位置に移動させてください。ここでは、車体オブジェクトのUVが上の図のようになっているので、右上の太枠内に収まるように配置しました。

同じように、車輪オブジェクトもUV展開します。台車オブジェクトと車輪オブジェクトはすべて同じ色・質感を使うため、すべて同じ場所(右上)にマッピングします。

内装オブジェクトも同様に展開しますが、内装オブジェクトは台車・車輪とは違う色にするために、別の場所(右上から2番目の太枠内)にマッピングします。

以上でUV展開が完了しました。ここからはペイントソフトでの作業に移るため、展開結果を画像に出力しておきます。UVエディタですべての頂点を選択した状態で、ヘッダーの「UV」→「UV配置をエクスポート」をクリックします。エクスポート画面のプロパティ画面でサイズが 1024x1024 となっていることを確認して、画像を保存します。

2. カラーテクスチャを作成する

UV展開ができたので、実際にテクスチャ画像の作成に入ります。まずは、モデルの表面の色を指定するためにカラーテクスチャ(アルベドテクスチャ Albedo texture ともいいます)を作成します。

GIMP を起動し、3Dモデルを作成する で作成したUVマッピングの画像ファイルを開いてください。開いたら、カラーテクスチャのためのレイヤーを1枚、UVマッピングのレイヤーの下側に追加します。レイヤーには適当な名前をつけてください。

続いて、カラーテクスチャのレイヤーが選択されていることを確認して、色を塗っていきます。ここでは全体を黄色、窓の部分だけを白く塗りつぶします。枠線ぎりぎりに塗ると隣の色と混ざってしまう場合があるため、枠線を少し(1, 2ピクセルほど)はみ出すくらいに塗ると失敗しません。

窓の部分は透過させるため、不透明度を 20.0 にして塗りつぶしてください。

次に、右上の128x128ピクセルと、その下の128x128ピクセルを、別の色で塗りつぶします。この部分は、UV展開の際に台車・車輪を割り当てた部分と、内装を割り当てた部分です。

これで、ひとまずカラーテクスチャの作成は完了です。ここで作成したカラーテクスチャを画像ファイルとして保存します。

まず、カラーテクスチャのレイヤーだけを保存するために、レイヤーパネルで UV マッピング画像のレイヤーを非表示にしてください。続いて、「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択し、「ファイルの種類」を「TGA (*.tga)」にして保存してください。ファイル名は自由に決められます(ここでは Demo_Color.tga とします)。

保存ボタンを押すと、TGA 形式で保存するときの設定ダイアログが開きます。「ビットの深さ」を「自動検出」にし、「圧縮 (RLE)」のチェックをオフにして、OK ボタンを押してください。さらに、平面化を行うかどうか確認するダイアログが表示されますので、「平面化」を選択してください。

3. MGAテクスチャを作成する

MGA は Metal, Gloss, Ambient occlusion の略で、金属光沢、反射(映り込み)、アンビエントオクルージョン(AO)の値をRGB値として保持するテクスチャのことです。

まずはカラーテクスチャの時と同じように、UV マッピング画像を開いて、MGA テクスチャ用のレイヤーを追加してください。次に、MGA テクスチャのデフォルトとなる色で、レイヤー全体を塗りつぶします。通常は R = 0, G = 0, B = 255(青。光沢なし、映り込みなし、AO処理なし)で塗りつぶすのが良いでしょう。

続いて、車体の部分を R = 240, G = 60, B = 255 で塗りつぶします。

これで、車体の部分の光沢と映り込みを表現したテクスチャができました。いろいろな色を塗って効果を試すこともできますが、あまりやりすぎると何が何だか分からなくなりますので、注意してください。

MGA テクスチャが完成したら、カラーテクスチャの時と同じように TGA ファイルとして保存してください。

最終更新